「まぁ、いいか。そうだ、俺は、九条 竜 （くじょう りゅう）」

先に挨拶してくれた人。彼が竜さんって言う人なんだ……

「あ、俺は、水無月 遥斗 （みなづき はると）」

「俺は、白銀 輝月 （しろがね きづき）」

それぞれ名前を言ってくださった九条さんと、白銀さんは、男らしくて、モデルさんみたいだった。

水無月さんは、男らしいと言うよりは、少し可愛い感じのお顔をされていた。だけど、全然、中性的な顔という訳ではなくて…

「よ、よろしくお願いします。」

「よろしく、じゃあ、説明する、」

九条さんの話しに私は耳を傾けた。

「20年ほど前、この学園には、伝説の女性がいたらしいんだ。その人が、白鳥 咲 さん。」

「伝説…」

「ああ、絶世の美女で、俺も写真を見せてもらった。」

「もちろん、色んな男から好意を向けられた白鳥様だったが、その誰とも一緒にならず、自分が心から愛した病弱な男性と一緒になったらしい。」

「それが、花衣に似てる。とてつもなく、」

「……今はどうしているんだろうか…」

白銀さんが、そんなふうにつぶやく。