2週間ほどたって、お母さんの葬儀やあれこれ追われていた事が、終わり、少し落ち着いた頃、私は、最後にお母さんから渡された手紙の事を思い出した。

『佑香へ
まだ、17歳の佑香を残して、先に死んでしまってごめんなさい。お母さんは、佑香を幸せにしてあげられなかった。ごめんね、
お父さんが、亡くなってから、お父さんがのこしてくれた、かけがえのない宝物、佑香を幸せにしようって、お母さんは必死だったの。
そうしたら、こんなふうになっちゃった…

佑香、お母さんから最後のお願いがあります。
佑香には、許嫁がいます。突然でごめんなさい。でも、きっと佑香は幸せになれる。
お相手は、佑香の1つ上の高校3年生、財閥の御曹司です。 名前は、 文月 凌 (ふづき りょう)さん。 地図を入れておくから、佑香はそこに行ってください。
そこで暮らすことになると思うの。
ごめんなさい。どうか、お母さんは佑香の幸せを願っています。』

お母さんの手紙を読み終えた私は、思わず、目を見開いた。許嫁……?

待って。状況が分からない。突然のことすぎて、心臓バクバクだけど、でも、お母さんは私の幸せを願ってくれたんだもんね。

……私、そこへ行くよ……
幸せになるね…