それを見て、私は大きな凌くんの身体にぎゅっと抱きついた。

「……わがまま、言ってもいい?」

「?あぁ、何でも叶えてやる。」

「じゃあ……色んな所でたくさんの女の子と出会っても、目移り…しないで…。」

自分で言っていて、だんだんと声が小さくなっていく。

凌くんからは返事がない。

少しの間、沈黙が流れた。

─そして、何が凌くんを刺激させたのかは分からないけど、凌くんはグルンっと私を見下ろす体勢になって、少しだけ意地悪っぽく笑った。

「何年でも待つとか言ったけど、やっぱ無理。待てない。」

「へ?」

「今すぐにでも、結婚するか?」

「えっ!?」

唐突な言葉に思わず大きな声が出てしまったけど……でも、さっき凌くんが安心させてくれたから…。