慣れない動きで凌くんの隣に入る。

「っっ!」

思ったより顔が近くて、心臓の音が一気にうるさくなる。

「何でも聞いて。」

「……あのね…凌くんと、結婚したら…その、長い間、会えなくなるんじゃないかって寂しくなっちゃって…」

凌くんの優しさに甘えて本音を告げると、凌くんが至近距離で息をのんだのが分かった。

「……大丈夫。忙しくても、必ず会いに行く。」

それから、真っ直ぐ意志を持った声で私を安心させてくれた。

必ず会いに行く。必ず に保証なんてないのに、凌くんが言うと、どれも本当にそうしてくれるんだと、安心出来る。

「俺の方が佑香と離れんの無理だって、前も言ったよな?」

凌くんの方を見ると、凌くんは可愛らしく唇を尖らせていた。