気持ちはちゃんとあるのに、言葉が出てこない。

それが悔しくて、ぎゅっとした唇を噛んだ時だった。

「不安だよな。」

そんな言葉を言われたと思えば、大きな手で頭を撫でられていた。

「何が不安?生活のこと?仕事のこと?そもそもの年齢?俺との関係?」

「っっ、」

何で、凌くんには分かるの…?

「全部…、全部不安なの…。」

気づいたら、私の思いは溢れていて、子供のように泣きじゃくってしまった。

そんな私を凌くんは頷きながら、撫でてくれて。

それから、立って、ベットに入った。

「えっ、凌…くん?」

不安げに立ち上がると、凌くんは掛け布団をあげて、優しく私に

「おいで。」

と告げた。

「う、うん…」