総長様の溺愛は、甘すぎます。

そんなっ、ただの偽善を好きになってくれたなんて…それこそ、嫌がられて当然なのに……。

「初め、許嫁とか言われて嫌がってたのはそれ。惚れた女なんていなかったら、許嫁とか、結婚とか正直どうでも良かった。」

どうでもいいなんて…。
私からしたら結婚はとても大事なものなんだけれど…。

「無理やり会わされた相手がまさかあの時惚れた女だとは思わなかったよ。」

驚く私と同様に、凌くんのお母さんとお父さんも何も言われてなかったのか、唖然としている。

あぁ、そっか…。これは、お母さんが残してくれた奇跡なのかな…。

「私…今凄く幸せです。その…お母さんは、いつも私にごめんねって泣きながら謝ってくれてて…でも、文月家の皆さんに出会えたのはお母さんのおかげで…。」