「い、いえ!私の方こそごめんなさい!」

「佑香ちゃん、結婚したからと言って、青春を捨てたりとかする必要はないからね?」

私の年齢を考慮してくれたのか、遠慮気味目配せをしてくれる凌くんのお母さん。

「凌くんのこと…大好きなので…前向きに…考えてみます…。」

素直に思ったことを言うと、隣に座っていた凌くんは目を見開いて、赤くなった顔を「見るな」と言うように私の頭に手を乗せた。

「無自覚なのか?」

「え?」

無自覚、と言われた瞬間、自分で言ったことが脳裏に蘇った。

同時にブワッと顔が赤くなる。

大好き…って、凌くんのお父さん、お母さんの前で言っちゃった…。

でも、凌くんが照れてくれたことへの嬉しさもあって…なんか凄く複雑…。