あれから、数時間が経って、辺りはもう暗くなっていた。

「すっかり暗くなっちゃいましたね。」

「そうだな。」

「凌さん…最後に、観覧車…乗りたいです…。」

暗い中で、カラフルなライトに照らされて一際目立っている観覧車。

大好きな人と乗りたかった。

「ん。」

手を繋いだまま、足を動かす凌さんについて行く。

ピンク色の観覧車に乗って、私は、今日最後に決意をした。

1回でいいから、凌さんを照れさせて見せる!

観覧車のバランスを保つために、私の向かい側に腰を下ろした凌さんの目をじっと見つめた。

「佑香?」

「あ、のっ、り、凌…くん…?」

自分でも恥ずかしくて、途切れ途切れに言うと、凌さんは突然立ち上がった。