「あの…」

胸元を押さえて、リビングへ行くと、私の姿に気づいた凌さんは何故かすぐに顔を逸らしてしまった。

「黎、何かやったのか?」

「凌様にとってはご褒美みたいなものでしょう?」

ううっ、長谷部さんがなんか黒いっ!

それに…やっぱり凌さん怒ってる…??

「あのっ、凌さん、ごめんなさい。勝手に…嫌でしたよね、、」

凌さんの顔を覗き込むと、凌さんは低い声で

「お前は本当にずるい。」

そう言って、突然私の体を抱えた。

「きゃっ、!」

「今日は俺の部屋で寝るぞ。」

そんな、凌さんと一緒だなんて、私の心臓、壊れちゃう…。

「りょ…」

名前を呼ぼうとした時にはもう遅くて、気づけば私は凌さんの部屋のベッドにおろされていた。