コクンと、小さく首を縦にふった凌さん。

「長谷部さん、大丈夫ですよ。私が凌さんの事ちゃんと見てますから。」

「え、でも、…」

「任せてください。」

こんな状態の凌さんを長谷部さんに託して、自分は何もしないなんて、罪悪感しかないから…。

「…では、お願いします。何かあったら、言ってください。」

渋々といった表情で、部屋を出ていった長谷部さんにお辞儀をして、私は凌さんに語りかけた。

「ごめんなさい、すぐおかゆ作ってくるので、待っててください。」

「…ん、」

風邪を引いた時、私も1人だと心細かったから、凌さんのことも出来る限り、一人ぼっちにさせたくない。

急がなきゃ…。

私は急いで卵入りのおかゆを作って凌さんの部屋に戻った。