「どういう、ことですか…、」

「簡単な事だよ。好きな人が出来たから、もう近づかないでほしいって、あいつから離れればいいんだ。なんなら、付き合ってる人がいるって言えばもっといいかな〜」

怖いっ、まるで、映画のワンシーンを見ているみたい。

でも、分かってる、これは現実で…

「君が離れれば、助けてあげるから。」

離れるなんて、考えられない。

凌さんが大好きだから、…


─だけど、それで凌さんが危険な目に合わなくて済むのなら…

私は…あなたを諦める。



「…分かりました…。だけど、絶対に手を出さないと誓ってください。」

「うん、こう見えて約束は守るから。」

…凌さんから離れるということは、許嫁の件も解消するって言うことだよね…