それから俺たちは1時間ほど揺られて、海沿いのペンションに着いた。

「あれ?人、居ないですね…」

「ああ、貸切だ。」

「えっ!ペンションを貸切ですか?」

もともとここ一帯は文月グループの所持地区らしい。母さんに言ったら、すぐに手配してくれた。

「大丈夫だ。」

佑香は、きっと貸切なんていいのかと心配するだろうから、先に言っとくべきだと思う。

「佑香は、何も気にするな。」

「え…あ、ありがとうございます…」

竜たちが来る前に2人で先に数ある中のペンションに入ると、佑香はすぐさま感嘆の声をあげた。

「凄いっっ…こんなに大きいんですねっ、」

「……そう、だな。」

佑香にとっては何もかもが初めてなんだな。

「佑香…」

「はいっ?なんでしょう!」