「ごめんなさい、凌さん。先に帰っててもらってもいいですか?」

「何か、あったのか?」

「ごめんなさい、用事があって…」

これは、俺がついて行かない方がいいやつか、
でも、さっきのことがあったからな…。

「変な男には気をつけろよ。ここで待ってるから。」

「えっ?あ、はい!ごめんなさい!急いで行ってきます!」

走って、さっき来た道を戻って行った佑香の姿を見送る。

今の俺には心配しかない。佑香が変なやつに絡まれていないか、困ってないか、不安はたくさんある。

本当なら、全世界の男から佑香を遠ざけたいほど。

でも、俺は彼氏でも、なんでもないんだ。

佑香の行動を縛って良い権利なんて微塵もない。

彼氏だったら、そんなことも許されるのだろうか…

考えても、答えなんて見つかるわけないのに、