「ん。とりあえず、佑香、風呂入ってきたら?疲れてんだろ。」

「えっ!良いんでしょうか?」

なんで佑香は敬語なんだ…そんなに他人行儀に接せられると流石に傷つく。

「文月……さん…?」

「凌」

「へ?」

「凌で良いから。」

「いや、でも!私、年下ですし……」

「関係ない。」

「えっ?あ……凌…さん…?」

まだ、ちょっと壁があるけど、文月さんって呼ばれるよりは、いいか。

「風呂、どこか分かんないよな。こっち、」

「ありがとうございます。でも、着替えを…」

佑香がそう呟いた瞬間、黎の声がはいった。

「それなら大丈夫ですよ。凌様のお母様が進んでご用意されておられまして…なんでも、花衣様のお母様と古くからのご友人らしいです。」

「そ、そうなん、ですか……」

今の話は俺も初めて知った。
佑香もさっきまでの笑顔を困ったように、引きつっている。