元々着ていた服を紙袋に入れてもらい、私と凌さんはお店を後にした。

「すみません、凌さん。いつか、必ず返します。」

「いいよ、いやでも、いつかその必要なくなるだろ?」

え?その必要がなくなるとは?あっ!許嫁だからってこと…?でも、それは関係ないと思うし…返すものはちゃんと…

「それでも……」

「それでもちゃんと返します。だろ?ちゃんと分かってるんだよ。佑香の言うことは、」

「あ…」

すごい、言おうと思ったこと的中してる…。

「じゃあ、佑香、その代わりと言ったらなんだけど、今から俺の服、選んでほしい。」

「分かりましたっ!もともとそのつもりだったので、全然、センスないですが、出来る限りサポート致します!」

私がガッツポーズをすると、凌さんは途端に吹き出す。

自分でもよく言ってることが分からない。だから、凌さんの笑う理由はよく分かる…

「佑香、荷物貸して。持つから。」

「えっ、?いやいや、大丈夫ですっ!全然自分でっ!」