混んでいるレジを、凌さんと手を繋いだまま並んで少しすると、順番がまわってきた。

「すみません、これ着ていきたくて、大丈夫ですか?」

「あっ、はいっ!お会計致しますね。」

カチカチと店員さんがレジを打つ音だけが私の耳には響く。

「5万円になりますが大丈夫でしょうか?、」

そ、そうだよね…普通の高校生がこんな高い服買わないよね?

「はい、大丈夫です。これで。」

店員さんに問われても、平然と現金を置いた凌さん。

えっ、?げ、現金で5万っ?

「か、かしこまりました。」

店員さんはお金を受け取って、処理を済ませ、凌さんにレシートを渡すと私に頭を下げた。

「タグを切らせていただいてもよろしいでしょうか?」

「あ、はい。お願いします。」

店員さんに背を向けて、タグを丁寧にハサミで切ってもらった。

「ありがとうございます。」

「いえいえ、こちらこそ。ありがとうございました。また、お越しくださいませ。」