北斗さんとは、ここ一ヵ月毎日のように連絡を取り合う仲になり金曜日はどちらともなくご飯やお酒の場に行くようになった。

時たま会社にお菓子を持っていて、先週の金曜日には休日にチョコレートフェアに一緒に行くのに誘われた。

まさか北斗さんと休日を過ごせるなんて…。誘われた時はまるで夢をみているようだった。

「知ってんだからね!  北斗さんが残業手伝ったりしてるの!社内でももっぱら噂になってるし!」

「いやいや、それは北斗さんが優しいからです……。 岸田さんが思っているような事は私達の間にはありませんッ…」

それは嘘ではない。 けれど私が北斗さんを意識していて、段々と好きになっているのは事実で。
でもそれを口に出してしまうのさえ恐れ多い。 こんな私が北斗さんを好きになってしまうなんて。

「フンッ。 でもあなたは北斗さんをどう思っているのよ?」

「優しい人だと…思います…」

こんな私にも優しくしてくれた唯一の人だ。 ときめいたり、特別な感情を持たない方がおかしいんだ。

「岸田さんは、北斗さんをどう思いますか?」

私の質問に岸田さんは眉を少しひそめた。