「ぜ、全然馬鹿になんかしてないです…。 私にとって岸田さんって完璧な女性だと思ってたから…
私みたいに頑張らなくっても綺麗なんだろなーって…。
それに岸田さんは頭も良くて仕事も出来るし…」

「頭いいってやっぱり馬鹿にしてんでしょ? あんたの方が良い大学出てんだから嫌味にしか聞こえないのよね」

「そ、そんな事はありません…!岸田さんを馬鹿にした事なんてないですから…」

はぁーっと大きなため息をついて頭を抱える。 パソコンに文字を打ち込みながら、大きな瞳で岸田さんはこちらを睨みつけた。

「調子狂うってか…。苛めがいがないってか…。
あなた…北斗さんとはどうなっているのよ?」

’北斗さん’と名前が出て思わず赤面してしまう。
その私の表情を見て、岸田さんはわざとらしく大きな舌打ちをした。

「どう…どうって…どうもなってませんけど」