阿久津フーズファクトリーに入社してから、岸田さんには怒られっぱなしだった。 だからそんな言葉を掛けてもらえるのは意外だ。
というか…岸田さんはジムなんて必要ないんじゃあ…。そう思う程、彼女はスタイルが良い。
高長身だし、出ている所は出ていて、引っ込んでいる所は引っ込んでいる。 だからそれを正直に彼女に言うと、フッと頬を緩ませ笑った。
「美容と健康の為よ。」
「き、岸田さんって努力家なんですねぇ~……」
褒めたつもりだったが、岸田さんは顔を真っ赤にして怒りを露わにする。
「うっさい! 仕方がないでしょう!食べたら食べた分だけ太るのよ、私は。 骨格的にどれだけ痩せても華奢にはなれやしないんだから、学生時代はキン肉マンって言われていたのよ?!
だからこのスタイルをキープする為に毎日頑張ってるんだから!」
ますます感心してしまう。 綺麗な人は生まれつき綺麗なのだと思っていた。
私とは生まれ持った物が違うのだと思っていた。
「ますます尊敬しちゃいますけど……」
「馬鹿にしてんの?」



