胸の中真っ赤になった彼女の目がぐるぐると回る。
「大袈裟ですよ」と言っていたけれど、これを作るのは相当大変だったと思う。
俺の為に作ってくれた事実が何より嬉しいんだ。  

「ついつい気合いを入れ過ぎて、大きく作り過ぎちゃったかなあって…」

「そんな事ないよ~。俺今日も明日も食べるし、残ったら冷凍しておくんだ~。
本当にありがとうね」

彼女が顔をくしゃくしゃにさせて笑う。 誰がどう言おうと、そんな彼女の仕草一つ一つが愛しい。

思い出した様に立ち上がった香ちゃんが、クローゼットの中から袋に包まれた箱を取り出し、こちらに差し出す。

「クリスマスプレゼントです。いつもありがとうございます。」

「ええー?!ケーキだけでも十分嬉しいのに!」

「いつもお世話になってますから。 それに北斗さんにはいつも色々な場所に連れて行って貰ってますし…
私が選んだので喜んでもらえる自信はないのですが……」