それを見て、相馬さんと岸田さんは同時に「出て行って」と手で合図した。
北斗さんは私の手を握り締めたまま、足早にお店を後にする。
「北斗さんッ!待って…!ごめんなさい……私合コンなんて聞いてなくって…。」
立ち止まり、こちらを振り返った北斗さんは苦しそうな表情を浮かべて私の頬をそっと撫でた。
「ごめんな…」
北斗さんが謝る事じゃないのに、何故か申し訳なさそうな顔をして頭を下げる。
「ほ、北斗さん?!何故…何故北斗さんが謝るのですか?」
「絶対嫌な想いしただろう…?
青柳さんには告白された事があって断った事があるのは知っているよね?」
焦ってこくんと頷くと、彼はもっと苦し気な顔をする。
「青柳さんが香ちゃんに近づいた時変だなとは思ったんだ。
合コンだって絶対聞かされてなくってついていったに違いないし
俺のせいで香ちゃんに絶対嫌な想いさせた…。 だからごめん。
大体俺が青柳さんの告白の断り方が悪かったんだ。そのせいで香ちゃんに嫌な想いをさせてしまったと思うと申し訳なくて…」



