思わず手を伸ばそうとすると、それは強く振りほどかれてしまった。
もしかして今日合コンに連れられたのはわざとだったのかもしれない。

「マジでうざいんだけど!デブでブスのくせに何を勘違いしてんの?!
あんたと私じゃあ全然違うんだから!
あんた程度の女が北斗さんと付き合うなんて冗談じゃないっつってんの!」

悪意は確実に私へと向けられている。 悪意や好奇の目には慣れていた筈だったのに……
しかし北斗さんは私の前に立ちはだかって、冷たい言葉を彼女へと落とした。

「いい加減にしろよ。 あんた程度って君は彼女の事をどれだけ知っているって言うんだ。
こんな事をされても俺は君の事は全然何とも思えない。 むしろ君にはがっかりするばかりだ。
俺の大切な人の事を悪く言うのならば、俺は君を許さない」

手を握り締めたまま、きっぱりと言ってくれた。  青柳さんには悪いけれど、北斗さんの言葉がすごく嬉しかった。

拳を握り締めたままその場で震える彼女は、唇を噛みしめてこちらを睨みつけた。
空気は最悪だった。