「岸田さんも私の為についてきてくれたんです」
「うんうん、彼女面倒見がいいからね。 そこの所は大丈夫!
さっき岸田ちゃんと話した時に話はついているから。 岸田ちゃんは自分で後で抜け出せるから、城田さんが困っているだろうから助けてあげてって」
「岸田さん……」
岸田さんの心遣いに思わず胸がジーンとする。
「じゃあ、抜けよう。って…その必要はなくなったか…」
立ち上がると同時に、相馬さんの視線が入り口の方へと向く。
そこには息を切らせた北斗さんが店内を見回していて、私と目が合ったら真っ直ぐにこちらへ走り寄って来た。
「思ってたより、来るのが早かったみたいだね。」
「どうして北斗さんが?」
「さっき連絡しておいたんだ。 きっと青柳さんに騙されて合コンに連れられてきたんじゃないかなって
ほっくん来ると思った。 本当に過保護なんだから……」
北斗さん!と青柳さんの声が店内に大きく響く。
けれどそんな彼女の声を無視して、北斗さんは私の方へ真っ直ぐと向かってきて
腕を取り立ち上がらせる。



