安心したのか思わず力説してしまった。
ハッと気が付くと、相馬さんは穏やかな微笑みを称えこちらを見つめる。

「やっぱり城田さん、ほっくんが言っていた通りの人だ」

「え?」

「ほっくんは岸田ちゃんが元々苦手だったんだけど、それを言ったら城田さんに岸田ちゃんの事をよく知らないのに悪口を言わないで下さいって怒られたんだって」

「そ、それは…」

そういえばそういう事もあった。

「もっと人をちゃんと見て下さいって。
ほっくん反省してたんだ。確かに自分は人をよく見ないで決めつけてしまう所があるって。
だからきちんとその人の人となりを見て適切な判断が出来る城田さんを尊敬しているって」

相馬さんの言葉にカーッと顔が熱くなる。私は決してそんな人間ではないのに…
むしろ自分と人は違うと勝手に区別していた。
社会のヒエラルキーを元に、あの人は上、あの人は下だと判断するような浅ましい人間だったのに。