【完】夢見るマリアージュ


言葉に詰まり固まっていると、青柳さんが私の背中をポンっと叩く。
大きな瞳をキラキラとさせて、顔を覗きこむと口角を上げて笑う。

「やだ、城田さんったらそんな真剣になって考えこんじゃって。 こういう時は適当に流せばいいの。ね?」

顔を上げ男性陣にそう言うと、彼らの視線が一斉に青柳さんの方へ向いた。 ホッと一安心。

やっぱり私こういう場苦手だ。 苦笑いをしながら、何とか空気を悪くしないようにしているけれど、所詮は陰キャだから、合コンとかのノリがいまいち分からない。

早く帰りたい…。でも来て直ぐに帰るとか行ったらまた空気が読めない奴だと思われるだろう。 何にしろ、せっかく誘ってくれた青柳さんに悪い気がして帰るタイミングを見つけられずにいた。

「え~でも俺結構城田さんタイプだけど?色白で肌綺麗だし、肌とかもちもちしてそ~」

一人の男性が私と青柳さんの間に割り込んで、そう言った。
すると周りがひやかしたような言葉を掛ける。

「マジかよー。 高橋(タカハシ)ってデブ専だっけ?」