「青柳さんって天然なんだなあ。マジで可愛いし。俺なんてどう~?」
「あ~お前抜け駆けはずるいぞー」
「皆さんって優しいんですね。
でも私より城田さんの方が全然可愛いから…」
そう言った青柳さんの言葉に再び私へと視線が一斉に集中する。
くすくすと小さな笑い声が聴こえる。
この感じは学生時代に何度も味わった事がある。
馬鹿にする言葉、好奇な視線。 周りが考えている事が、私には手に取る様に分かる。
だから何も言えなくなって、真っ赤になってその場で俯く事しか出来ない。 何度も惨めな想いをしてきたけれど、何度経験しても慣れる物ではない。
こういう場面に出くわすと、自分自身の存在を全否定して消えたくなってしまう。
「え~くすくす。 それはないでしょう?」
「城田さんって言ったっけ?全然喋らないじゃん。ノリ悪いねぇ~」
「せっかく青柳さんがフォローしてくれてるんだからさー」



