「いえ、あの…その…」そんな言葉を繰り返していくうちに、結局何も言えなくなって下を向いて俯く事しか出来なくなっていた。
岸田さんに助けを求めようとしたけれど、彼女は一人の男性に掴まっていて迷惑そうに顔をしかめていた。
すると一人の男性が私達の間に割って入って来た。
「ええー?青柳さんの方が俺は全然タイプだけどー」
そりゃあそうだ!
私と青柳さんを隣に並べて、私の方がタイプだという奇特な男性はいないと思う。
むしろ比べる事自体青柳さんに失礼だ。 ダイエットとお洒落で少しはマシになったとはいえ、私は所詮下の中程度の女になっただけで、相当やばい女なのだ。
しかも現在は知らない人を前に絶賛人見知りを発動中。 ブスできもくて空気の読めない女と思われているに違いない。
「もぉ~うまいこといってぇ~
恥ずかしいよ。私全然モテないから、そういう事言われ慣れてないの」
唇を尖らせる姿も何とも愛らしい。
そんな青柳さんに男性陣の視線は釘付けだった。



