【完】夢見るマリアージュ


「え~青柳さんと仲がいいの~?」
「意外だね~。あんまり接点なさそうなのに~」

「そんな事ないですよ。 すっごく可愛い子でしょう?ね?」
青柳さんの’すごく可愛い’は申し訳ない気持ちになる。
一斉に視線が私へと集中して、男性陣の好奇な視線が降り注がれる。

絶対に彼らが思っている事は一つなのだ。 「全然可愛くないじゃん」 青柳さんが隣に並ぶと、私のブスさやスタイルの悪さが良く引き立つ。

「青柳さん顔も可愛いのに性格もいいんだあー。」
「だよなあー友達を大切に出来るとかすごいなあーまるで天使だ。」

青柳さんは天使。その言葉を否定はしない。
栗色のサラサラの長い髪に、真っ白のワンピースを着てにこにこと笑う。
この人を天使と言わずとして誰を天使というのだろうか。

「やだあ…止めて下さいッ。私全然可愛くもないし、天使でもないですから。
私なんかより、城田さんの方がずっと性格が良くって可愛いんだから」

しかし何故か違和感がある。 青柳さんが私を持ち上げ過ぎなのだ。 そして青柳さんが私を持ち上げれば上げるほど、焦って何も言えなくなる。