「ちょっとー!!!ほっくん」

「うるさ、一体何だよ?」

思わず電話を耳から離す。 海の大きな声が鼓膜をキーンと揺らす。
何やら焦っている様子ではある。

「ちょちょ、知ってるの?今日。 つーか来なくって大丈夫?」

海の言っている事はちんぷんかんぷんだった。

「知ってるって何が?
行くってどこにだよ?」

「えー?何も聞いてないの?
実は大学の同期に今日飲み会どうしてもって誘われたんだよー。
俺も知らずに行ったら、どうやら合コンらしい雰囲気でさあ」

「お前…レナとも結婚が決まったっていうのに合コンなんて…。レナが知ったら大変な事になるだろう」

思い込みが激しく嫉妬深いレナを想像すると、ゾッとした。 海が合コンに参加しているなんて言えば、荒れ狂うに決まっている。