『帰り迎えに行こうか?俺は少し遅くなりそうだ』
そうメッセージを返すとすぐに返事は返って来た。
『北斗さんにそんな事はさせられません。
お仕事でお疲れでしょうから、私の事は気にしないで下さいね』
気遣い屋の彼女らしいが、ちょっぴり切ない気持ちになる。
帰りは大丈夫だろうか?女性の一人歩きは心配だ。 そう思いながらもメッセージを返す。
『結構集まるの?』 俺も仕事が終わったら行きたい。なんて言ったら絶対に嫌がるだろう。
『青柳さんと青柳さんのお友達数人いらっしゃるみたいです』
青柳さんの名前を見て一瞬躊躇う。 そういえば仲良くなったと言っていたが…。
いまいち彼女は信用できない。
けれどよくも知りもしないくせに人の事を悪く言ったら、真面目な彼女が嫌な気持ちになるのは分かる。
『楽しんでね。迎えが必要だったらすぐに言って』と返信をして、すぐにパソコンの画面に向き合う。
着信が入ったのは、それから一時間後だった。
ちょうど今日の残業も終える時だった。
電話の相手は海だった。



