「あ、ありがとう…」
「今度城田さんをお借りしてしまう日もあるかもしれませんが…」
「いやいや全然俺にお構いなく。 最近会社で友達が出来たって嬉しそうにしていたから。
すごく良い子だから仲良くしてあげてよ」
「いいですね…そんな風に北斗さんに想われて…
城田さんが羨ましい」
「え?」
「いえ、何でもありません! では私は黒岩主任に用事がありますので、これで」
恐ろしい知らせを受けたのは、青柳さんと話して数日後の週末の出来事だった。
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『突然なのですが今日は岸田さん達、会社の社員とご飯を食べに行ってきます!』
一人でオフィスに残っている時、彼女からメッセージを受信する。
俺は苦手だったが、彼女は岸田さんの話をするのがとても楽しそうだった。 友達らしい友達が出来るのは初めてだったらしい。
俯いてばかりいた彼女が同僚と楽しくしているのを、嬉しく思わない訳がない。



