■6■ *SIDE北斗* 君を守りたい。




「全くレナにも困ったものだよ。あれだけ海くんの事で騒ぐからてっきり早く結婚でもしたいのだと私は思ったのだ。
だから式場などの約束を取り付けたら、お父さん余計な事しないで、だよ。
それに比べ海くんは乗り気になっているというのに」

「アハハ、きっとレナちゃんは照れてるに違いない。
しかし結婚式が今から楽しみだなあ。 きっとレナちゃんならば美しい花嫁になるに違いない。
それにこれでますます阿久津フーズファクトリーとチェリーチョコレートカンパニーが盛り上がる事間違いなしでしょう」

今日は社長室にレナの父親である桜栄社長がやって来た。

海とレナの間には桜栄社長の結婚の反対がありいざこざがあったが、今や彼は海がお気に入りの様だ。

とはいえ、直ぐに海が阿久津フーズファクトリーを辞め、チェリーチョコレートカンパニーに入社するという話ではない。

父の口添えがあった事なのだが、暫くの間海はこのまま阿久津フーズファクトリーで修行するらしい。

「北斗くんはどうだい?」

「僕は、まあ…仕事ではまだ半人前です。 父の下もっと勉強をしなくてはならない事が沢山ありますので」

にこりと笑って桜栄社長に返すと、彼は目をぱちくりとさせた。