「噂で聞いてたから何となく勘付いてたけど」

「やっぱり岸田さんも聞いてましたか…」

「木島くん、あなたの事狙ってたらしいのよ。 でもそれも最近の話でしょう?
少し綺麗になった位で近づいてくる男なんて信用出来ないのよ。
私、あいつはあんまり良く思ってなかったし。 だって、社内の女の子何人に声掛けてるつー話よ。私も何回か食事に誘われた事あるわ」

「わあ、さすが岸田さんです。モテますねぇ!」

「こういうのはモテてるって言わないの!! 誰でも良い男から好かれたって嬉しくもなんともないわ。
それよりもあなたも噂なんて気にしない方がいいわ。
結局北斗さん自身が選んだのがあなたで、あなたもあなたで努力しているんだから
何か言われたとしてもそんなもの僻みとして受け取っていればいいの! 大切なのは当人同士の気持ちなんだから」