―――――

「これ香ちゃんに似合いそう!」

「ええ…?!私がこんなラブリーな服なんか似合うわけ…」

「絶対に似合うよ~。 こっちのアクセサリーも似合いそう!」

「いやいやまさか…」

休日のショッピングモールは家族連れやカップルで賑わっていた。

そこで北斗さんは躊躇いもなく女性ものの洋服屋さんに入り、私には到底似合いそうもない可愛らしい物を勧めてくる。

ドキドキして緊張しっぱなしな私に対し、北斗さんの方が楽しそうではあるが…。

「俺、買ってあげるよ。好きな物を」

「いえいえ、滅相もございません…。自分の物は自分で買えますし」

「遠慮しなくていいよ。何かプレゼントしたいんだ」

「誕生日でもないのにプレゼントを頂くわけにはいきません」

「うわあー、あっちも見てー?可愛いバックがあるよー!」