意外だったのが、帰宅した父が城田さんの存在を認識していた事だ。

阿久津フーズファクトリーは一部上場企業でそれなりの社員がいる。 それ程彼女がK大で優秀な成績を収め入社してきたというわけか。

父を前にして初めは城田さんも緊張していたが、それよりも父も俺が女性を実家に連れて来た事の方が嬉しそうだった。

その顔を見て、一安心。
自分を大切に育てて来てくれた両親だからこそ、絶対に城田さんを気に入ってくれるに違いないと思ったんだ。


「やあやあ、そうか。君が北斗とお付き合いをしている女性だったとは。
嬉しいなあ、今日は良い日だ。 沢山飲もう」

「そうですよね、あなた。北斗ったら全然女性をお家に連れて来ないから、びっくりしちゃったわ。
まさかお父さんの会社でこんなに可愛らしい子を連れて来るとは思わなかったけれど
それに歳を訊いたらすっごく若いの。 お母さんにもそういう時があったけれど、遥か昔だわあー…」

「何をいう…。君は昔も今も変わらず綺麗だよ…」

「あら、あなたったら…もう」