今日、彼女を誘って本当に良かった。

「何度も言っているけど、城田さんは全然太ってなどいません」

俺の言葉に、拗ねたように頬を膨らませた。 うう…その姿も可愛らしい。

「太っています。自分を甘やかしてばかりいたから、こんな体型になってしまったんです…。
それに北斗さんの周りにいる女性は痩せて綺麗な人ばかりなんだもの…
今日会ったレナさんだって、岸田さんだって細いし……」

何でそこで岸田さんの名前が出るのは疑問だが…。 レナはまあ、仕方がない。幼馴染だ。
しかし岸田さんは元々苦手なのだ。

入社当時から何かと俺と接点を持とうとしてきて、香水の匂いがきつくて余り好きになれない。

いつもブランド物に身を包み、化粧もバッチリであの猫なで声で名前を呼ばれるたびに背筋がぶるりと震えるのだ。

それでも彼女が俺へとアプローチをしてきているのは知っている。 だから何かと理由をつけてそれを交わしている。

そういえば、最近は余り連絡が来なくなったような気もするが……。