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「甘い物を食べてお腹いっぱいになってもご飯は食べたいなんて…やっぱり別腹ですね」

「アハハ、今日はチートディにしてダイエットはお休みにしよう。
チョコレートフェアは男一人で行くには恥ずかしすぎたので、付き合ってくれたお礼に何でも食べてよ」

「むぅ…太っちゃう…。けれど甘い物を食べたらしょっぱい物もやっぱり食べたくなっちゃう……
駄目ですよね、私って意思が弱い…」

ご飯を食べればデザートが欲しくなるように、甘い物を食べればしょっぱい物が食べたくなる。
それは人間の性か。

チョコレートフェアの会場を出た後、まだ夕方だけれど陽が沈みかけていた。
秋から冬の匂いに変わって行く……。日照時間も短くなってきたのがその証拠だろう。

会場近くのイタリアンの居酒屋に入って、城田さんは真剣にメニューと睨めっこしている。
はぁ~~~…それにしても白くてもちもちの肌だ。

いつもリリーにしているように顔をすり寄せてぎゅっとしたい。
小さくて小動物みたいに可愛くて、スイーツを両頬に頬張り幸せそうに笑う笑顔に今日も癒された。