城田さんに向かってゆっくりと頭を下げたレナは、人並みの中へと消えて行った。
今度会った時、城田さんの事は詳しく訊かれそうだ。 とはいえ、現在は進展も何もない。
今日の俺の行動次第で、彼女との関係も何か変わるかもしれないが。
さっきまでスイーツに目をキラキラと輝かせていた城田さんの瞳は、しゃんと伸びたレナの後ろ姿ばかり追っていた。
レナは女性にしては背が高い。 背が高く、モデルのように細い。 ほぼパンツスーツを着ており、それが足の長い彼女にはよく似合っていた。
トレードマークのようなものだ。 バリバリに働く仕事の出来るキャリアウーマンだが、実は彼氏の海いわく照れ屋でヘタレな所があるという。
誰にだって、心を開いた者にしか見せない裏の顔がある。 クールで頑張り屋なレナが唯一甘えれる存在が彼氏の海というわけだ。
「城田さん?」
顔を覗き込むように名前を呼ぶと、ハッとした表情をしてこちらを見上げた。



