「城田、香さん?ああ、例の! ふぅーん、そうなの。彼女が。
城田さん、こんにちは。私、チェリーチョコレートカンパニーに勤めている桜栄レナと申します。」
「は、初めまして、城田香です。」
「びっくりしちゃった、あの北斗が女性とこういったイベントに来るのは珍しいから。
あ、私は北斗とは子供の頃からの知り合いで幼馴染なの。
いつも北斗がお世話になっております」
まるで母親のような挨拶をしてくれる。
とはいえ、レナは年下でも昔から俺よりしっかりしていて、妹のルナ同様頼りない俺を守り続けてくれていた存在である。
そんな風にずっと一緒にいた彼女に好意を持たれていたのを知ったのは数年前だが、彼女には現在阿久津フーズファクトリーで働く海という彼氏がいる。
レナから告白を受けた事もあったが、それももう過去の話だ。
「幼馴染…なんですね…」
「ええ。今回のイベントは我が社も協賛しているんですよ。
短い時間ではありますが、城田さんも楽しんでいって下さいね。
じゃあ、北斗私行くから。 今度連絡するからその時にでも詳しく話は聞かせてもらうね」
「ああ、仕事頑張ってな。」



