一年間勉強する振りをして遊んで、大学受験と併願して専門学校を受験した。
 大学は落ちてしまったけれど、将来を考えるなら好きな事をやりたいし。それなら専門的な事を学んだ方が近道だ。パパもママも頷いてくれたのだから、間違っていない筈でしょう?

 そうして上機嫌で都会に行った私は新しい環境が楽しくて楽しくて、智樹の事なんて忘れてたけど。
 両親が出した上京の条件に入ってたのだ。智樹とたまに会う事が……うちの両親はしっかり者の智樹を信頼しているから。

 そうして約一年ぶりに会った智樹は、少し素敵になっていた。
(都会に来て垢抜けたみたい……)
 けれどまだ私を好きなようで、そんな様子を見たら満足してしまう。少し揶揄うだけで赤くなる智樹は可愛いとは思うけれど、私の彼氏って程では無いかな。

 適当にその場を済ませてさっさと退散した。
 そうやってたまに会ってを繰り返した、更に一年後……智樹が彼女が出来たと言い出したのだ。