そんな関係が変わったのは、高校卒業後の進路がきっかけだった。
私は上京したかった。
ずっと田舎しか知らないなんて、勿体ないと思ってたから。
だけど親は私が可愛くて仕方がない人たちで、上京するなら進路は大学じゃないと認めないと言い張ったのだ。
そしてこんな時に頼りになるのは智樹だった。
私は智樹に頼んで必死に勉強をし、二人で東京の大学を受験した。
結果──私だけ落ちた……
智樹は東京の大学へ、私は一年浪人。
智樹は進学に躊躇したようだったけど、ご両親が喜んだ事もあり、一人東京へ旅立っていった。
今思えば智樹が私に熱心に勉強を促していたのは、私の学力が不足していると分かっていたから。
私は東京には行きたかったけど、勉強がしたい訳じゃ無かったし、やる気は起きなかった。このままでは結果は見込めない。つまり勉強続ける事に意味なんてないのだ。
そう悟った私は涙ながらに両親に訴えた。
だって私の一生が掛かってる。どうしても都会にいってみたい。都会がいい。
そして、やはり私に甘い両親は、折れてくれた。