金曜日──
 罪悪感と喪失感が無い混ぜになり、仕事上がりにお酒をがぶ飲みして帰った。
 自宅の最寄りの駅近の飲み屋だし、歩いて帰れる。
 誰に迷惑を掛ける訳でも無いので、一人羽目を外して飲んだ……ような気がする。






(あー、嫌な夢見たわー)

 ころりと寝返りをうてば、何だか枕の硬さが気になってしまう……

(あれ? 枕カバー洗ったばかりじゃないんだけどな? なんでこんな肌触りなんだろ?)

 疑問に思って半身を上げれば頭がぐわんぐわんと鳴り響く。

「うー」

 そして痛む頭を押さえて回る視界をやり過ごせば、ざあっと血の気が失せた。

 ……知らない部屋である。

 元カレのものでも、勿論自分のアパートでも無い。
 泡を食って起き上がれば、部屋の端で毛布に包まった見知らぬ男が眠っていた。

 ……自分は一体何をやらかした?

(自分で言うのも何だけど、真面目で品行方正なこの私が!?)