三上さんは段々と亜沙美や他の女子部員たちとも仲良くなっていき、自然とサークルに溶け込んでいった。
俺も少しずつ彼女と話すようになっていって、彼女は大分盲目的だなあ。と、かなり心配になってしまった。
「日向の一途なところが好きになったんだ?」
恥ずかしそうに話す彼女を見ては、いらっと顳顬に力が篭る。
「そんな人が自分を好きになってくれたらなあ……と」
はにかむ顔にむかつくのは何故だ。
一途と言えば響きがいいけど、結局どっちつかずの状態なんじゃないの?
腹立ち紛れに、じゃあもう幼馴染の子とは会って無いんだね? なんて、意地悪な言葉をぶつけてしまった。
この歳まで仲良くしている幼馴染と、急に距離を置くなんてありえないような気がしてた。
それでも心のどこかで、彼女から「うん」なんて嬉しそうな返事が返ってくる予感があったのと、そんな反応を聞いておきたい自分がいたから。