(うわあ……)
一途な人はずっと一途であった訳で……
私は二股を掛けられていた挙句の、本命では無い方だった。
智樹のあの、たった一人を望む視線が自分に向けられたら……って思って、付き合った時、そうなれたんだ、ってただただ喜んでいたけど……
(私の目は本当に、節穴だったんだなあ……)
振られた時の事を思い出す。
振られた事に憤りながらも、智樹を振り回していた時間を確かに悔やんだ。
好きだったから。一緒にいてくれた時間を嬉しいと思ってたからこそ、きっと悩ませただろう事を、申し訳ないとさえ思ったのに。
じわりと目に涙が滲んだけれど、飲み会の最中だったと思い直す。流石にこんな場で泣き顔で戻るのは恥ずかしすぎて無理だ。
ふるりと頭を一つ振って、立ち上がる。
もう今日は体調不良でいいだろう。
会場の誰かに声を掛けて帰ろうと踵を返せば、難しい顔をした河村君が立っていて私ははっと息を飲んだ。



