(分からない──) ただもう今は、どうでもいいとも思う。 今はもう、やっと芽吹いたこの花を、大切に大切に育てたいのだ。 そっと頬に唇を落とす。 すやすやと眠る彼女の寝顔にどきどきと高鳴る胸が十代の学生の頃のようで…… (眠れない……) 多分今日は嬉し過ぎて眠れない。 でも何度も見た夢じゃ無い。間違いなくこれは現実で…… きつく目を閉じ、腕に抱いた愛しい人をもう一度強く、抱きしめた。