ごくりと喉を鳴らして自分の言動を頭で反芻する。 何となくここがビジネスとは言え、ホテルである事も思い出し、この体勢のまま焦り出す。 そんな動揺を感じ取ったのか、ふっと笑うような吐息が頭に掛かり、息を飲んだ。 「大丈夫、今更そんながっつかないから。三上さんの気持ちを聞けただけで今はもう、満足」 ぽつりと落ちてきた言葉を追うように河村君を振り仰げば、優しげに細まる眼差しに嬉しくなって、思わず飛びつくように、再び河村君に抱きついてしまった。