自分でも不安に感じてた事を指摘されて、心が揺らぐ。けれどそれ以上に、やはり怖いという気持ちの方が勝ってしまった。

 ……出来ればもう、智樹には会いたく無い。
 私の気持ちを全て無視して我を通してくる智樹と、話し合いをする気ももう起きないのだ。

「もう無理……会いたくも、話したくも無いの……」
「ん……」
 どこかほっと息を吐きながら頭を撫でてくれる河村君の手に、涙が滲みそうになる。

「だからね、今日はホテルを取ろう」
「うん……」
 促されるまま頷いて、河村君に手を引かれ、ビジネスホテルに辿り着いた。