きっともうずっと、無かった……
すり減ってすり減って、彼への私の気持ちは……いつの間にか諦めの方が優先されていたのだから……
「ごめんない……」
これしか言えない。
だってもう無理なのだ。
もう私に彼への気持ちは、無くなってしまった。
けれど私の思いと同じように目の前の智樹が溶けて無くなる訳では、当たり前だけれど無いようで……
ギリリと釣り上がった眦が、彼の欲しがった、「智樹を尊重する私」で無い事への憤りを見せているようだった。
「勝手な事を言うな!」
叫ぶ智樹が伸ばす手を河村君が弾いてくれた。
「いい加減にしろ! どう見ても勝手を言ってるのはお前だろう!」
「お前……邪魔するなよ!」
けれど、掴みかる勢いの智樹がはっと身じろいだのは、視界の端に見えた警察官の制服。
近所の人が不審に思い呼んだのだろう。
いい加減、道の真ん中で騒ぎすぎだのかもしれない。



