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「ももちゃんは、好きな男の子いるの?」

小さい頃、そう質問したことがある。

「…いないよ!」

そう言って笑った。



ももちゃんはすごく優しい。

いつも私の事を思ってくれていて、
なんでも分かってくれる。

困ったときは何故かいつも傍にももちゃんが居た。

超能力者なんだと幼い頃は思っていた。


今になって気づくんだ。

いつも私のことを見てくれていたんだって。

そんなありがたい存在いるのかな?



「…いないよ!」

私にだって分かる。

その笑顔がとても辛そうだったことくらい。

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「愛ちゃんは好きな男の子いるの?」

聞いてみた。


「うーん、いないよ!でもね、きっと素敵な王子様に出会えると思うの!」

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少女は純粋無垢だった。

その真っ白さは、自分の黒さをより目立たせた。



「君はあの子を染めることができる?」

「私にはできない、勇気がない。無責任だとも思う。
 でもね、お姉さん。今日聞かれたの。

『好きな“男の子”はいる?』って」

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