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少女は、少女漫画が大好きだった。

少女漫画の女の子はいつもきらきらしていて、可愛かった。

かっこいい王子様と出会って恋する。
とっても素敵だと思った。



「好きよ。」


震えた。

身体中にそんな感情が駆け巡った。

今までにはこんな感情なかった。

王子様しかしらなかった少女は、お姫様を知った。

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「ごめんなさい」


 「五月桃瀬、お前知ってる?」
「この学校じゃ、有名人だよな。」
「告白全部断ってるって話、お前も告ってみろよ笑」


当たり前だ。
好きでもないやつと誰が付き合うか。
もう私には心に決めた人がいるのだ。


「ももちゃん!」

彼女は霜月愛。

私の幼馴染。 小柄で可愛い。

長くて綺麗な髪の毛を揺らしてひょこひょこと近寄ってくる。

まるで小動物のよう。



「愛ちゃんおはよう」

「おはよ!今日お弁当作ってきたから一緒に食べよ!」

「いいの?」

「うん、もちろん!
ももちゃんのこと考えて作ってきたんだから、食べてもらわないとだよ!」


彼女のことだから、本当にたくさん私の事を考えてきたのだろう。
そういうところも可愛いのだ。


「ありがとう」

そう返すと、彼女は満足気に笑って教室に戻って行った。

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